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チューニングと「純正律・平均律」


チューナーでチューニングしたのにどうして!?

以前Dokkenの曲をアップしたとき、チューナーで正確にチューニングしたにもかかわらず、自分で弾いた音源...特にコードを鳴らした時にCD音源に比べると明らかに違った音に聴こえていたと書きましたが、どうやらジョージ・リンチのチューニング方法が普通と違っていたようです。

一般的にチューナーを使ってチューニングした場合は5弦Aの音が440hzもしくは442hzという周波数になるように設計されているはずです(それが一般的な周波数なので)。しかし、Dokkenのコピーをアップした曲の記事にスクリーミンさんというかたがコメントしてくれたのですが、どうやらあの曲(というかあれが収録されているアルバムの全曲)は5弦A=425hzもしくは450hzではないか、とのことらしいのです。

そういえばパンテラのダイムバック・ダレルも独自の周波数でチューニングしているというのを雑誌で読んだ記憶があったので調べてみたのですが、WikipediaによるとA=400hzを基準にチューニングしているようです。なのでチューナーを使って全弦1音下げにしたとしても普通に弾く分には問題ないですが、CD音源に重ねてみるとダイムの音と自分の音の音程差に不快感を覚えることでしょう。ちなみにWikipediaによるとA=400hzというのは「全弦1と1/4音下げ」に近いそうです。

純正律と平均律

そもそもギターという楽器は完全な和音というのは発音できないようになっています。どんなにチューナーで正確にチューニングしたギターでも「完璧なチューニング」にはなりません。それはギターが平均律楽器だからです。うちのN4には「バズ・フェイトン・チューニング・システム」という従来のギターよりも、より正確なチューニングができるようなシステムがインストールされているのですが、それでも「完璧」ではありません。平均律楽器であるかぎりは1オクターブ内の各音の間で微妙にチューニングが狂ってしまうんですね。ちなみに現代音楽では平均律で調整するのが一般的になっているようです。

音楽の世界には純正律というものと平均律というものがあるのですが、これは僕自身勉強不足なので興味があったら調べてみてください。一応こういうページはありましたが、ここまでいくと学問の世界。ロックやるなら曖昧でいいと思います。今のところの僕の解釈だと

純正律…和音を鳴らしてもうねりが一切生じない(協和音)、転調するととたんに音痴に聴こえる(転調する曲には対応不可能)、完璧なチューニング

平均律…和音を鳴らすとうねりを生じる(不協和音)、転調しても違和感がない、妥協したチューニング

こんな感じですかね。

そういわれてもよくわからないという方も多いと思うので、参考になりそうなページを紹介しますね。

平均律と純正律の和音の比較および協和音・不協和音の考察


こちらのWMAファイルを聞き比べてもらえるとよくわかると思います。平均律で調整したピアノやトランペットの和音はうねりを生じていますが、純正律で調整した和音にはそれがありません。

とまあ長々と書きましたが、こういうのがあるんだなってのと、チューナーでチューニングしたのにどうしても原曲と比べて違和感を感じたら周波数を疑うということを覚えておいて頂ければよいかと。

余談ですが、Van Halenのギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレンのチューニングも独特なんですよね。基本的に全弦半音下げと言われていますが、実は「全弦半音下げ→そこから2弦だけ微妙に下げる」というようにすると、エディのチューニングっぽくなります。1stの1曲目「Runnin' with the devil」のあの簡単なリフが、本人と比べてどうしてもダサく聴こえてしまうのは実はこういう秘密が隠されたりしてます。

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6 comments

Ken

きゃーっ!
難しい・・というより面倒臭い!!w
俺はそういう面倒なセッティングの必要な曲はたぶん避けます・・w
けど、パワータブをダウンロードした時点では、それが面倒なセッティングなのかどうか分からないんですよね;
そもそも、パワータブの中身も設定間違ってたりするし・・・;

なんでそんな面倒なセッティングするんだー;
もしかしてアマチュアに簡単に自分の曲をコピーさせないようにしてるのだろうか!(そこまでセコくないかw
by Ken (2008-09-04 01:11) 

kk6

■kenさん
いや、多分本人たちのチューニングがアバウトなだけですよ(笑
その日の気分で「ま、こんなもんか」って感じでチューニングしたとかじゃないですかね。
by kk6 (2008-09-04 02:03) 

Ken

なるほど!w
迷惑な話だ!コピーするアマチュアギタリストの身にもなれってんだ!

・・・ん。

でも、そのいい加減なチューニングで弾いて、なんであんなカッコ良い音出るんだ!?
俺らだと、チューニングしないで弾くと(耳で適当にチューニングした場合も)気持ち悪い音になるのに!!

・・・プロ・・はやっぱ凄いんだな・・

by Ken (2008-09-04 22:45) 

kk6

■kenさん
ちょっと説明不足でした、すみません。
基準音をその日の気分とかで決めている可能性はあります。が、各弦間のチューニング自体はチューナーを使うなりして正確に合わせていると思いますよ。

チューニングは慣れですよ。実は僕もちょっと練習がてら弾くぶんにはチューナー使わないで耳で適当に合わせてます。あんまり良いことじゃないですけどね(笑
by kk6 (2008-09-05 00:59) 

スクリーミン

実は、、、ジョージリンチのあのチューニングに関してまだ続きがあるのです。

何から書いて良いのか順序が定まりませんが、、、

① 1stアルバムBreaking the chainsのチューニングはA=440hz
② 2ndアルバムTooth and nailから以降があのチューニング。
③ 2ndアルバムよりジェフピルソン加入、作曲に影響大
④ 日本ライブアルバムはA=440hz

kk6さんも言っておられましたがジョージリンチは非常にチューニングに気を使う人です。基準の音をその日の気分とかで変えるとは考えられません、2ndアルバム,3rdアルバムと同じチューニングにしているのには何か秘密(?)があるのでは、と 素人なりの知識で推理してみました。
上に揚げた4項目ですが、ジェフピルソンは音楽的知識豊富(音大卒?)と何かのインタビュー記事を読んだ事があります。ドンドッケンが歌いやすいように音程を下げるのなら単純に半音下げるでしょう。半音まで下げない変なチューニングにしているのはジェフが犯人と睨みましたが答えはまだ模索中です。
into the fire と alone again にキーボードが必要になっているのがヒントになっているのかも知れません。

何かすっきりしないので情報を持っておられる方、答えを知っている方おられましたら教えて欲しいですね。

自分でも何が言いたいのか、何を書いているのか解らない文章ですみませんでした、これで失礼します。
by スクリーミン (2008-09-07 00:00) 

kk6

■スクリーミンさん
そうでした。ジョージはチューニングにシビアな人なので気分で、というのは考えられませんね。個人的には、きっちり半音下げて弾くよりも、ジョージのチューニングで弾いたほうが曲の雰囲気的に合っている様な気がします。

しかし謎ですね...弦のテンションからくる音のハリとかも関係するんでしょうかね。
by kk6 (2008-09-07 02:21) 

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